カフェ・ツァルトルの魅力
ウィーンのコーヒーハウスと言えば、華やかなCafé CentralやCafé Prückelが代表的ですが、今日は少し趣向を変えて、ウィーンの真髄を体現するカフェをご案内いたします。第3区の歴史ある街並みに佇む「Café Zartl (カフェ・ツァルトル)」は、1883年の創業以来、時代の波を乗り越えてきた老舗コーヒーハウスです。一見すると素朴で地味な外観ですが、華やかな観光名所のカフェとは一線を画す、独特の魅力を放っています。
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〈外観〉 |
扉を開けると、まるで時が止まったかのような雰囲気に包まれます。ダークウッドの温かみ、赤いベルベットの上品さ、そして大理石のテーブルが織りなす調和は、まさに芸術作品のよう。アンティークのシャンデリアが放つ柔らかな光は、この空間に静かな輝きを与えています。
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〈店内ではゆったりと過ごす人々の姿が〉 |
カフェ・ツァルトルの魅力は、その静謐な雰囲気だけではありません。ここには、長年通い詰めている常連客や、仕事の打ち合わせで利用するビジネスマン、そして一人でゆっくりとコーヒーを楽しむ人など、様々な地元の人々が集います。コーヒーを片手に新聞を読む年配の紳士、昼下がりにケーキを楽しむ優雅な婦人たち、夕暮れ時に仕事帰りの一杯を楽しむサラリーマン。彼らの存在が、カフェに生き生きとした温かみを添えています。観光客向けの喧騒とは無縁の、真に地元に愛されるカフェの姿がここにあります。
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〈居心地の良いブース席が豊富にあります〉 |
お店に入ったら
空いている席に着いたら、慌てることはありません。ここでは「待つ」ことも、上質な時間の過ごし方の一部なのです。一人で丁寧に接客する女性店員さんが、必ずあなたの元へ。その間、壁に掛けられた新聞や雑誌に目を通すのも風情があります。
メニューのオーダーについて
メニューは、日替わりのセットか、アラカルトからお選びいただけます。お薦めは、コスパ優れた日替わりセット。私が訪れたときは白身魚のフライ、ポテトサラダ、そしてデザートまでついて12ユーロと、まさにウィーンの伝統的なおもてなしの精神を感じさせます。日替わりセットの内容はカフェの入り口の看板でも確認できます。
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〈入り口の看板に記載されている日替わりセットメニュー〉 |
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〈ヌードルが入ったコンソメスープ👍〉 |
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〈白身魚(タラ)のフライとポテトサラダ😘〉 |
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〈エスターハーズィートルテ😍〉 |
カフェ・ツァルトルは、クンストハウス・ウィーンといった名所にも程近く、文化探訪の合間の憩いの場としても最適です。
喧騒を離れ、真のウィーン・カフェ文化に浸る贅沢な時間。カフェ・ツァルトルで、優雅で静かな「ウィーン・モーメント」をお過ごしください。きっと、心に残る特別な思い出となることでしょう。
ロケーション
Rasumofskygasse 7, 1030 Wien

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